医者から整体師へ、触手療法の福増廣幸先生

「奇跡の触手療法」 福増廣幸著 プレジデント社出版

故人・福増廣幸先生は医学博士であり、元・心臓血管外科医だった人であります。心臓外科医として第一線でやっていた方が48歳のときに突如整体の世界へ。医者として身体の多くを診てきて「多くの病気は慢性的な全身の筋肉疲労からきている」という見解に至ったそうです。

「奇跡の触手療法」には福増先生の病気への見解が沢山載っています。各症状に対しての整体的見解は非常に貴重なものとして私は捉えております。

また、本書に書かれている内容は私自身の臨床経験からも納得いくことが多く、私の施術指針となりうるものでもあります。

以下に「奇跡の触手療法」に掲載されている内容の中で、個人的に面白いと思う見解部分を抜粋してご紹介させていただきます。

  • 私がみるところ、骨粗しょう症は、長年にわたって積み重なった慢性的な筋肉疲労と靭帯の締めつけなどで血行が悪くなっているのが原因で、その点に注目して治療をすると、老人にとってはほとんど不治も同然の骨粗しょう症が嘘のように消えていく。
  • 頸部で鎖骨や胸骨、第一・第二肋骨にくっついているごく細い筋肉が、ポツッという僅かなショックで損傷を起こすだけで、鞭打ち症が起きるのである。
  • 幼い子どもに慢性筋肉疲労などあるはずがないではないかと思われがちだが、とんでもない。強い精神的ストレスによって慢性筋肉疲労が生ずることは多いし、適度のストレスでも敏感に反応して筋肉に緊張が残るケースも少なくない。
  • 不整脈というのは、不眠症で熟睡できない状態が続くと起きやすい。その不眠症の原因となっいる頸部から頭部にかけての慢性筋肉疲労をとると、とたんに深い睡眠が十分にとれるようになって、不整脈が消えることが多い。
  • この交感神経と副交感神経とで構成されている神経系が、自律神経といわれている。ところで脊柱を取り巻いてさまさざまな筋肉郡が集まっているが、「その筋肉郡を、自律神経が(くわしくいえば交感神経節と副交感神経節とで)モニターしている」と私はみている。これまでに、自律神経にそのような機能があると考えた専門家はいないが、私の仮説には確信がある。
  • ここが大事な点だが、ふつう筋肉の疲労は運動して力を消耗するからだと信じられている。ところが、むしろ精神的な緊張で筋肉疲労が起き、その慢性化が問題なのである。

奇跡の触手療法

2008年11月25日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : t.saitoh

スジを診る、増永静人先生

「スジとツボの健康法」 増永静人著 潮文社発行

私が整体学校を卒業して都内の治療院で修行し始めた頃に購入した本です。整体の施術者として「早くいい結果がだせるようになりたい!」という気持ちだけが先走っていたことを思い出します。

その頃、池袋の「たにぐち書店」(私たちの世界では有名な本屋さんです)に通うことが多く、自分の技術を向上させてくれる本を探しに行っては「高いな~ 2万円か~」「読んでも難しくて意味が理解できない」なんて独り言を吐き、立ち読みだけして帰ることが多かったような・・・苦笑

実際に専門書は高額なものが多く、気になったものは何度か購入したことはあるのですが、読んだだけでは理解できないものがほとんどでした。しかし、購入したこと読んだことには後悔なく、勉強になる点は少なからずありましたので、今の私の礎になってくれている思っています。

話は少し脱線しましたが、そういうときに「スジとツボの健康法」を見つけたのです。一般の方々向けに書かれたものらしいのですが、おそらく一般の方が読んでも理解できないのでは!? と思える内容で、身体や施術に対する理論(著者の考え)がしっかりと述べられているものなのです。私は立ち読みした時点から食い入るように読み、迷うことなく購入した記憶が残っています。迷わなかった理由は安かったこともあります。なんと1200円! 苦笑

この世界に入ったばかりの人であれば「スジとツボの健康法」を数ページ読んだだけでハマるはずです。スジの歪みについてや身体の触れ方・押し方など私は色々と考えさせられることになりました。

一応、指圧の先生が書いた本ですが、この先生のやっていたことは指圧と言うよりもスジの歪みを修正する整体だと、私は捉えています。私がこの本を読んだときには著者の増永先生は既に他界されていたことが残念であり悔やまれます。先生の施術を一度は拝見したかったものです。

スジとツボの健康法

2008年2月20日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : t.saitoh

整体道に進んだ切っ掛け。骨盤矯正の五味雅吉先生の著書。

「体は骨盤から治せ」 五味雅吉著 八広社出版

かなり昔になりますが整体術に関して初めて読んだ本がこの本でした。

社会人になってから健康に関して深く考えるようになり、運動や健康食品など色々と試したものの自分の納得いく健康法が見つからないでいました。身体の強さ、健康は持って生まれたものであり体質は変えられない。20代半ば頃までは、そのように考えていました。

仕事でパソコンに向かっては肩こりがひどく、仕事に集中できなかったり、微熱が数週間単位で続いたり・・・ 「一生この体と付き合っていくのか~」と嘆いていました。

そんな私が20台半ばになって整体という言葉を知り、五味雅吉さんの本と出会い感銘を受けたのです。(本を読んだだけで感銘を受けるなんて単純すぎますが・・・)

その後は整体やカイロプラクティック関連の学校からパンフレットを取り寄せたり、色々と調べるようになりました。最終的には実際に学んでみないとわからないという結論に至ったわけです(苦笑)

最近になって「なぜ、学校へ通う前に、まずは治療院へ行って整体の施術を受けなかったのかな?」という疑問が自分の心の中で浮かび上がりました。整体治療の受診経験がない私が大金を叩いて整体を学ぶ。少し無謀のような・・・

その理由を考えたときに理由の1つとして五味雅吉さんの本 「体は骨盤から治せ」 の存在が大かったように感じるのです。この本を読んだとき「これはすごい! これだ!」 というような感情を不思議と自分の心の中に抱いたことを覚えています。

今にして思えば、この本に出会っていなければ、この世界に夢を抱くことは無かった? と思うほどで「体は骨盤から治せ」の出版関係者の方々には深く感謝をしております。

それと整体に興味を持ち始めた当時に、この本を貸してくださった小林紀子さん(同じ会社で働いていたパートさん)にも感謝しなければいけません。「私、いい本があるから貸してあげるね」 そう言って、この本を貸していただいていなければ私の世界は変わっていなかったと思います。

五味著書のコピー

当時の本のコピー 懐かしい~

2008年1月2日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : t.saitoh