施術心得

一流と呼ばれている施術家はどこか共通する考え方、心得みたいなものがあります。私が大切にしている本の中に「もうひとりのあなた J.E.アプレジャー著」というものがありますが、施術効果について貴重なことが書かれております。下記に一部抜粋し、掲載します。


私はある治療家が針治療を施すと非常に効果を上げるのに、同じ患者に他の治療家が同じ針治療を施しても全く効果が上がらないケースを多く見てきた。最初の頃は偶然であると思っていた。そのため、同じ針治療で効果が上がらなくても、別に注意を与えることもなかった。また患者に対しても治療前も治療中でも、また治療後も、治療効果についての説明はしなかった。

しかし、その内に効果を上げることのできない医師が共通して、沈黙したまま治療していることに気が付いた。また効果を上げる医師は針治療を信じて施し、信じない医師は効果を上げていないことがわかった。信じない医師は2人で、針治療を頭から”バカげた治療法”と考えている。そして2人とも、良い効果を得てはいない。また彼らが針治療した患者を翌日同じように治療すると、逆に非常に良い効果を得ることも判明した。同じ針治療を用いて、治療中にその効果を目の前で見られるのであるから、違いは容易に確かめられる。患者の痛みが和らぐのである。

喘息患者や、肺気腫患者はその場で症状が軽減した。中毒症を持つ麻薬患者であるヘロイン患者も、目の前で依存性や症状が和らいで行く。赤く腫れた帯状疱疹による発疹も、針治療を信じる医師が正しく治療すると、目の前で発疹が消えて無くなるのである。あなたはおそらく「それは、効果のある場所に針を打てば効果があり、信じない医師は間違った場所に打っていたのであろう」。と考えているに違いない。

しかし、、私はこれが機会となり、治療の成果を上げるためにはセラピストの信念と意欲が左右すると考え始めた。そして信念と意欲による力は、想像以上に何か有りそうである。

例えば、良いムードを持つ外科医は、皮肉で冷淡な外科医や、暗い外科医よりも良い手術結果を上げることが多い。これは手術のテクニック以外の何かである。手技療法を用いるセラピストは、特に明るく己に自信を持って信念を抱いて行うと、反対である悲観的な考え方を持つセラピストよりもより良い効果が得られる。

そこで我々はセラピストと患者に流れる電流抵抗を測定して、治療態度による変化が存在するか調べることにした。すると治療効果を疑うセラピストや患者には、電流の抵抗力が増す結果がでたのである。

もうひとりのあなた J.E.アプレジャー著 P104~105より抜粋 


この内容に共感する施術者(セラピスト)は多いのではないでしょうか!? 私は共感するものがあります。

施術する人、受ける人、施術に関わる全ての人が知っておくとよいと思いましたので、ここに掲載させていただきました。

2013年2月25日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : t.saitoh

リンパの反射に着目したチャップマン博士

「ハンドブック チャップマン反射」 産学社エンタープライズ部出版

人体の内蔵や器官に病的変化が起きると、それは体表(身体の表面)に何らかの警戒信号を発する。そして、その信号を認識し施術者が手を加えることで、病的変化未然に防ぎ治癒に導く。このような反射区理論は昔からあり、鍼灸のツボやリフレクソロジー・足つぼ等、色々な反射区治療があります。

私のところは元気のツボ整体研究所という屋号ではありますが、実は鍼灸のツボ理論は取り入れてはいません。反射区治療理論としてはオステオパシー医師のフランク・チャップマン博士(故人)が研究された独自の治療ポイント、チャップマン反射(神経リンパ反射)を施術で利用しています。

チャップマン博士は身体のホメオスタシス(恒常性:体内組織を一定の安定した状態に保つ力)を障害するのは「リンパの流れ」にあると考え「リンパ系が身体に与える影響は小さいものではない」と唱え実証しています。

リンパの流れをブロックされることが、さまざまな病気の原因ではないかと考えたチャップマン博士は、ブロックが改善されれば健康が促進されるのではないかと推測し、多くの治療ポイントを発見しました。

治療ポイントは検査ポイントでもあり、基本的には腹側と背中側にそのポイントが存在します。例えば前立腺が不調であれば下記の図のポイントにリンパのブロックがあり、そのポイントには小さなシコリが存在します。治療としてはポイントに指を軽くあて円を描くように動かし、ポイントに溜まっているリンパをまわりの組織に向かって押し出すようにする。

チャップマン反射

特にこの前立腺のポイント付近(背中側)はチャップマン反射では大事なポイントの1つであり、骨盤内臓器や足の症状に関わっていたりするポイントです(前立腺、子宮、直腸、生殖器に関連)。またグッドハート博士によりチャップマン反射は更に進化し、治療ポイントと関連する筋肉を見つけだし、治療ポイントのリンパを改善すれば内蔵だけではなく関連する筋肉にもよい影響があることがわかりました。ちなみに前立腺のポイントであれば関連する筋肉はお尻の筋肉郡と太ももの筋肉となります。

チャップマンとグッドハートの治療ポイントは相違する部分もありますが、両者が発見したポイントは間違いなく私たちの役に立つ情報であり、今後も大いに活用されていくものです。

チャップマン博士は「ハンドブック チャップマン反射」の中で骨盤変位や甲状腺などについても非常に興味深いことを語っており、この本の内容は私の宝となっています。

2010年7月16日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : t.saitoh

医者から整体師へ、触手療法の福増廣幸先生

「奇跡の触手療法」 福増廣幸著 プレジデント社出版

故人・福増廣幸先生は医学博士であり、元・心臓血管外科医だった人であります。心臓外科医として第一線でやっていた方が48歳のときに突如整体の世界へ。医者として身体の多くを診てきて「多くの病気は慢性的な全身の筋肉疲労からきている」という見解に至ったそうです。

「奇跡の触手療法」には福増先生の病気への見解が沢山載っています。各症状に対しての整体的見解は非常に貴重なものとして私は捉えております。

また、本書に書かれている内容は私自身の臨床経験からも納得いくことが多く、私の施術指針となりうるものでもあります。

以下に「奇跡の触手療法」に掲載されている内容の中で、個人的に面白いと思う見解部分を抜粋してご紹介させていただきます。

  • 私がみるところ、骨粗しょう症は、長年にわたって積み重なった慢性的な筋肉疲労と靭帯の締めつけなどで血行が悪くなっているのが原因で、その点に注目して治療をすると、老人にとってはほとんど不治も同然の骨粗しょう症が嘘のように消えていく。
  • 頸部で鎖骨や胸骨、第一・第二肋骨にくっついているごく細い筋肉が、ポツッという僅かなショックで損傷を起こすだけで、鞭打ち症が起きるのである。
  • 幼い子どもに慢性筋肉疲労などあるはずがないではないかと思われがちだが、とんでもない。強い精神的ストレスによって慢性筋肉疲労が生ずることは多いし、適度のストレスでも敏感に反応して筋肉に緊張が残るケースも少なくない。
  • 不整脈というのは、不眠症で熟睡できない状態が続くと起きやすい。その不眠症の原因となっいる頸部から頭部にかけての慢性筋肉疲労をとると、とたんに深い睡眠が十分にとれるようになって、不整脈が消えることが多い。
  • この交感神経と副交感神経とで構成されている神経系が、自律神経といわれている。ところで脊柱を取り巻いてさまさざまな筋肉郡が集まっているが、「その筋肉郡を、自律神経が(くわしくいえば交感神経節と副交感神経節とで)モニターしている」と私はみている。これまでに、自律神経にそのような機能があると考えた専門家はいないが、私の仮説には確信がある。
  • ここが大事な点だが、ふつう筋肉の疲労は運動して力を消耗するからだと信じられている。ところが、むしろ精神的な緊張で筋肉疲労が起き、その慢性化が問題なのである。

奇跡の触手療法

2008年11月25日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : t.saitoh