壊れていた三井式温熱治療器が復活。そこで私の記憶にとどめておいたノウハウを思い起こし、三井式温熱治療器についての要点を私なりにメモしておくことにしました。温熱治療器を所有する方々の参考になればと思います。
温熱治療器の故障&回復
数年前にスイッチを入れても温熱治療器の温度が上がらず温度設定の表示ランプが点滅状態に。現象をメーカーに問い合わせしたところ「故障していると思われるので送ってほしい」と要求。修理代は確認してみないとわからないが数万円かかるかもしれないと説明されたので修理を断念。
最近、しばらくぶりに温熱治療器のスイッチを入れてみたが相変わらずの状態なので、ダメ元で分解したところ電気回路に特別な問題があるように思えなかった。それで温度設定の表示ランプ点滅は何かのサインなのでは?と疑い、温度設定のボタンを数秒間押し続けたら点滅が消え、温熱治療器の温度が上がるようになり正常機能するようになった。
もしかしたら、以前使用したときに温度が上がりすぎてサーモスタットのようなものが働き、強制OFF状態に陥っていたのかも!? それで温度設定ボタン長押しでリセットされたのかもしれない。でも、そんなことは説明書にも書いていないし、メーカーも説明してくれなかったが・・・・。回復した理由はわからないが、とりあえず問題なく使えるようになったのでよかった。
三井式温熱治療器とは
三井式温熱治療器を使った三井式温熱療法はガンを治すということで一部の人たちに有名なもの。高熱を発する器具で体を刺激していくのだが、私もその効果を確かめたく購入。三井式温熱療法でガンが治ったということを私は直に聞いたことはないが、開発者?の三井と女子氏の著書「注熱でガン・難病が治る」を読んだ感じでは効果があるように思える。その理由は臨床経験をもとに書かた様子があるのと、三井と女子氏の写真を数点拝見して営利主義者には思えなかったので。
書籍の中で三井式温熱療法の効果がでる理由について謳っているが、その内容を抜粋して繋ぎ合わせた文章にすると「健康生活が正常に運営されていくのに必要なものは熱の力である。細胞の中で燃焼し熱源が不足すると、健全な体の運営が出来なくなり、結果として病気が生じてくるのである。ストレスの影響を一番受けやすいのが自律神経である。病気の90%は心身消耗によるパワー不足からくるから、不足した熱を自律神経に補充してやると、雨後の植物のように、体力・気力が蘇ってくるから不思議である。内外の血液の循環をよくしてやると活力がどんどんみなぎってくるのである。どのような病気がどこに、どんな風に出現しても、自律神経に注熱することを忘れてはならない。自律神経に活を入れてやるのである。背骨を中心として背中全体と病気が出現している箇所に注熱してやれば、目がさめるような速さで病気は好転する。理由は、体の表面から注熱しても熱は体内に浸透して内臓に届くので、体を傷つけずに治療することができるからである。内臓の病変は何らかの形で必ず体表にあらわれてくるので、熱をあててみれば、どのような部分かすぐに見当がつく。難しい機械や検査はいらない。ガンに限って、熱をあてると特有の強烈な反応があるので、その病気がガンであるかないかはすぐわかる。」
三井式温熱治療器について個人的見解
ここからは私の個人的見解。抜粋した文章の中に「内臓の病変は何らかの形で必ず体表にあらわれてくる・・・」とあるが、たしかに病変は体表にあらわれることが多い。私の整体施術でも筋肉のコリや患部でもないのに押圧時異常に痛がったりする場合にはガンだったりすることがある。三井と女子氏は注熱(温熱治療器の発熱部を体に当てて熱を注ぐ作業)でガンの見極めがある程度できていたのかもしれない。
「熱は体内に浸透して内臓に届く」というのは、明らかに間違っている。温熱治療器で注熱して体を温めるというのは皮膚代謝の活性化になることは間違いない。皮膚代謝の活性化で筋肉や臓器などに良い影響があることは想像できる。しかし、遠赤外線効果で体に熱が浸透しても内臓まで届くことはない。遠赤外線はそんなに深いところまで熱が届くものではないからだ。浸透しても皮膚表面から1ミリ以下だと言われている。
それと体を温めるという効果だけをとりあげるのであれば三井式温熱治療器だけが特化したものではない。お風呂やサウナなども同様の効果がある。体を温めるというメリットだけなら、それほど魅力的な器具ではない。
三井式温熱療法は自律神経の活性化を基本的な目的としており、その手法は温熱治療器で背骨周りを中心に注熱していく。注熱をしていると体感的に他の部位より熱く感じるところがあり火傷しそうなぐらいに熱く感じる。このとき「アチチ」と痛がるのでアチチ反応と呼んでいるのだが三井と女子氏の「自律神経に活を入れてやる」という表現・行為は、このことを指していると思われる。そして三井式温熱治療器の最大の利点は、この反応にあると私は理解している。
アチチ反応がある部位は体液循環の不良があり、老廃物の停滞があるところ。その部位を注熱することで体液循環がよくなり、老廃物を取り去ってくれる。筋肉も弛む。背骨周りの体液循環がよくなることで自律神経の作用に良い効果がでる。そのうえ、アチチ反応の痛覚刺激により免疫力アップの効果が期待できる。
私の所有する書籍「平田式心療法」(※1)に温熱療法の効能に関する臨床実験の内容が一部掲載されているのだが、当時の医学博士たちの考察には、皮膚に軽い火傷のような刺激(痛覚刺激)を与えると白血球(リンパ球)の増加が認められるというニュアンスがある。この白血球(リンパ球)の増加は免疫力の向上を示すものであり、アチチ反応にも同じ効果があると考えていい。
三井式温熱療法でガンは治るのか?
実際のところわからない? 温熱療法で治ったという人はいるかも知れないが、科学的なデータは一つも存在しない。通常1つのガン細胞が命の危険性を脅かすほど成長するには10年以上を要すると聞く。成長して腫瘍形成したものや身体組織に浸潤したものが温熱療法によって、すべて消し去ることができるのであれば手術も化学療法など何もいらないし、病院では既に導入しているだろうと考えるのが妥当。でも、(ガンの種類やステージによるが)免疫力を最大限に上げることができれば可能性はなくはないと思う。生命力は未知な部分が多い。ガン化していないガン細胞レベルのものであれば(温熱療法による熱刺激で自律神経の活性と免疫力向上により)予防効果はあると思う。
三井式温熱療法の施術法
「注熱でガン・難病が治る」の書籍を読むと背骨周りと患部を中心に身体全体を注熱する感じになっている。施術時間は40分以上かかる様子。私のところでは免疫力が弱ってそうな人に背骨周りだけ注熱することがある。体が温まるしアチチ反応もあるので効果は良好なことが多い。温熱治療器の発熱部は70度の高温なので皮膚との間に1枚の布を挟み注熱。ただ、このやり方だと熱の浸透に少し時間がかかる。もっとスムーズに注熱するには皮膚に温熱治療器を直接当てるのがよい。その方が熱伝導率がよい。しかし、70度の高熱を皮膚に直接当てたら1秒で火傷状態になるので温度を下げて55度にして当てるとよい感じになる。それでも体感的には1秒で火傷しそうな感じなので当て方には工夫を要する(※2)。ちなみに私の所有する温熱治療器は5段階の温度設定が可能。1が45度、2が55度、3が60度、4が65度、5が70度。
(※1) 平田式心療法とは昭和初期の時代に平田内蔵吉氏が自ら考案した温熱治療器で皮膚を刺激していくという療法
(※2) 火傷と時間について調べてみた。55度の熱さに20秒以上触れることで火傷となる。しかし、自分の体で試したときには10秒近く当てただけで皮膚が赤くなり、数時間赤みがとれなかった。強い痛みや水ぶくれはないが軽い火傷ではないかと思うほど。注熱時には注意が必要。ちなみにこのとき温熱治療器の発熱部の表面温度を計ってみたが54度だった。