二点押圧はどのようなものですか?

二点押圧は昔からある治療法です。代表的な治療法を2つ紹介させていただきます。

  • 横山式二点療法 横山卓(よこやま たかし)先生によって考案された治療法で、特定の症状や不調に対し、二つの点(経穴や筋肉の特定のポイント)を同時に刺激することで、より効果的に体のバランスやエネルギーの流れを整える方法です。この方法は、主に指圧や手技療法で行われることが多いですが、鍼灸でも同様のアプローチが取られることがあります。横山式二点療法の特徴は、効果的にリラックスや痛みの軽減、可動域の改善が図れる点にあり、ポイントの選び方や施術者の技術によって効果が大きく変わります。

  • 鍼の二穴療法(二穴刺法) この療法は、鍼灸で同時に二つの経穴(ツボ)に刺激を与えることで、より強い治療効果を引き出す方法です。二つの経穴は、通常、互いに作用を補完するように選ばれ、相乗効果によって気血の巡りを改善し、体のバランスを整えることが目的とされています。具体的には、疾患の原因や症状に応じて選んだ二穴を同時に刺激することで、単一の経穴を使った治療よりも効果が高まるとされます。

二点押圧は優れた治療法であり、自然治癒力(身体が生まれながらにして持っているケガや病気を治す力)を発揮させるのに最適な手技です。

特定のacupressure point(ツボ=指圧点)を二点同時に刺激することでVital Energy Points(元気のツボ)となり、二点間に血流やエネルギーを多く集め、体を整えます。

2024年11月7日

肩こりで色々な治療院へ行きましたけど再発します。治らないのでしょうか?

肩こりが発生するのは原因があるからです。原因が無くなればよいのですが再発する人の事情により難しい場合もあります。肩こりの原因やメカニズムについてはいくつかの視点から説明できます。

1. 筋肉の緊張と血行不良:
長時間のデスクワークやスマホの使用、姿勢の悪さによって首や肩の筋肉が緊張しやすくなります。筋肉が緊張すると血管が圧迫され、血行が悪化し、酸素や栄養が筋肉に行き届かず、老廃物が溜まります。この状態が続くと疲労物質が蓄積し、こりや痛みが発生します。

2. 自律神経の影響:
ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れにより自律神経が乱れると、交感神経が優位になりやすくなります。交感神経が緊張すると血管が収縮し、血流が悪くなるため、肩の筋肉にこりが生じやすくなります。

3. 姿勢の問題:
姿勢が悪いと、肩や首周りに負担がかかり、筋肉が過剰に使われるため、次第にこりが発生します。特に猫背や前傾姿勢などは肩周りの筋肉に大きな負荷をかけます。

4. 精神的な緊張:
精神的なストレスも肩こりに影響します。ストレスを感じると無意識に肩や首に力が入ることがあり、その状態が続くと筋肉の緊張が持続し、肩こりが発生します。

5. エネルギーの「流れ」と「巡り」:
肩こりは、身体の「流れ」が滞ることで起きることもあります。全身は筋膜で全て繋がっており肩や首周りではなく、足や腕の怪我によって経絡などのエネルギーや血液、リンパの流れが滞り、こりや不快感を生じることもあります。

6.内臓-体性反射によるもの:
内臓と筋肉や皮膚は、神経系でつながっており、内臓の異常が脊髄を介して体の特定の部位に反射的な緊張や痛みを引き起こすことがあります。たとえば、胃や肝臓の不調が肩のこりとして現れたり、腎臓や腸の不調が腰痛として感じられることがあります。これは、脊髄で共有される神経経路によるものです。

  • 肝臓や胃の不調:
    肝臓や胃の不調があると、関連する脊髄の神経が肩や首の筋肉に影響を及ぼすことがあり、肩こりを引き起こす可能性があります。特に、肝臓は肩甲骨周りのこりに関連すると言われています。

  • 肺の機能低下:
    呼吸器の問題、特に肺の機能低下があると、首や肩周辺にこりが生じることがあります。肺と関連する神経が首から肩甲骨周辺に影響を及ぼすためです。

7.抗がん剤の影響によるもの:
抗がん剤の副作用が筋肉や神経系、内臓機能に影響を与えるためです。いくつかのメカニズムが関係しています。

  • 筋肉や神経への直接的な影響:
    抗がん剤の種類によっては、筋肉や神経を損傷しやすいものがあります。これにより、筋肉の緊張や炎症が生じ、肩こりや腰痛を引き起こすことがあります。また、神経に障害が生じると、特定の部位に痛みやこりを感じやすくなります。

  • 倦怠感や疲労の蓄積:
    抗がん剤治療中は全身に強い疲労感が出ることが多く、活動量が低下しがちです。動きが減ることで、肩や腰周りの筋肉が硬直しやすくなり、肩こりや腰痛が起きやすくなります。また、長時間の横たわりや同じ姿勢が続くことでも筋肉のこりが生じることがあります。

  • 内臓機能への影響と内臓-体性反射:
    抗がん剤は消化器系や肝臓、腎臓などの内臓機能にも負担をかけます。内臓がダメージを受けると、内臓-体性反射により、肩や腰に痛みやこりが反射的に現れることがあります。たとえば、肝臓や腎臓の不調が肩や腰に影響を及ぼすことが知られています。

  • 免疫力低下と炎症反応:
    抗がん剤による免疫力低下があると、体内で慢性的な炎症が起きやすくなります。この慢性炎症が、肩や腰などの関節や筋肉に痛みや不快感を引き起こすことがあります。また、炎症によって筋肉が緊張するため、こりや痛みを感じやすくなります。

つらい肩こり

2024年11月5日

高齢者の肩こり、マッサージを受けても翌日に再びつらくなります。何故ですか?

高齢者の肩こりがマッサージをしてもすぐに戻ってしまう原因はいくつか考えられます。

1. 筋力の低下

高齢になると筋力が低下し、姿勢を支える筋肉が弱くなるため、肩や首に負担がかかりやすくなります。マッサージで一時的に緩和しても、日常の動作でまた筋肉が緊張し、肩こりが再発しやすくなります。

2. 姿勢の崩れや骨格の歪み

長年の生活習慣や加齢による姿勢の崩れ、骨格の歪みが原因で肩や首に負担がかかる場合もあります。特に、前傾姿勢や猫背などの姿勢が定着すると、肩周りの筋肉に緊張が生じやすくなります。

3. 血流やリンパの滞り

年齢とともに血液やリンパの流れが悪くなることで、肩周りの筋肉が硬くなることもあります。血流やリンパの流れが滞ると、筋肉に栄養や酸素が行き届かず、回復が遅れ、肩こりが再発しやすくなります。

4. 自律神経の影響

自律神経が乱れていると、血流や筋肉の緊張具合がコントロールされにくくなり、肩こりが慢性化することがあります。ストレスや疲れが自律神経のバランスに影響を与え、肩周りの緊張を増すことも原因の一つです。

5. 筋肉の柔軟性の低下

高齢者は筋肉が硬くなりやすく、柔軟性が低下しています。柔軟性が失われると、筋肉が疲労しやすくなり、マッサージ後もすぐに張りが戻ってしまいます。

対策として

マッサージだけではなく、ストレッチや軽い運動で筋肉をほぐす、姿勢改善のエクササイズ、また血流やリンパの流れを促す温めや呼吸法も取り入れてみると良いでしょう。また、生活リズムの改善や、こりの原因となる習慣に対してもアプローチしていくことが大切です。

2024年11月4日