整体道に進んだ切っ掛け。骨盤矯正の五味雅吉先生の著書。

「体は骨盤から治せ」 五味雅吉著 八広社出版

かなり昔になりますが整体術に関して初めて読んだ本がこの本でした。

社会人になってから健康に関して深く考えるようになり、運動や健康食品など色々と試したものの自分の納得いく健康法が見つからないでいました。身体の強さ、健康は持って生まれたものであり体質は変えられない。20代半ば頃までは、そのように考えていました。

仕事でパソコンに向かっては肩こりがひどく、仕事に集中できなかったり、微熱が数週間単位で続いたり・・・ 「一生この体と付き合っていくのか~」と嘆いていました。

そんな私が20台半ばになって整体という言葉を知り、五味雅吉さんの本と出会い感銘を受けたのです。(本を読んだだけで感銘を受けるなんて単純すぎますが・・・)

その後は整体やカイロプラクティック関連の学校からパンフレットを取り寄せたり、色々と調べるようになりました。最終的には実際に学んでみないとわからないという結論に至ったわけです(苦笑)

最近になって「なぜ、学校へ通う前に、まずは治療院へ行って整体の施術を受けなかったのかな?」という疑問が自分の心の中で浮かび上がりました。整体治療の受診経験がない私が大金を叩いて整体を学ぶ。少し無謀のような・・・

その理由を考えたときに理由の1つとして五味雅吉さんの本 「体は骨盤から治せ」 の存在が大かったように感じるのです。この本を読んだとき「これはすごい! これだ!」 というような感情を不思議と自分の心の中に抱いたことを覚えています。

今にして思えば、この本に出会っていなければ、この世界に夢を抱くことは無かった? と思うほどで「体は骨盤から治せ」の出版関係者の方々には深く感謝をしております。

それと整体に興味を持ち始めた当時に、この本を貸してくださった小林紀子さん(同じ会社で働いていたパートさん)にも感謝しなければいけません。「私、いい本があるから貸してあげるね」 そう言って、この本を貸していただいていなければ私の世界は変わっていなかったと思います。

五味著書のコピー

当時の本のコピー 懐かしい~

2008年1月2日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : t.saitoh

健康を考える


1.筋肉に体調があらわれる(自分なりの健康法を見つけましょう)


筋肉には「身体の動作」「骨格を支える」「熱を発する」「体液循環を促す」という役割があります。

筋肉は身体活動や代謝など私たちのライフワークと大きく関わっており、筋肉が優れていれば快適に過ごせる日が多くなります。

筋肉が優れている状態とは「筋力」と「柔軟性」がバランスよく備わっていることであり、この度合いが高いほど筋肉は、より優れた状態であり体調も良好であると言えます。

しかし、筋力と柔軟性を保つことは難しいものです。それは筋肉は緊張(収縮活動)をする性質を持つからです。

筋肉の緊張を作る要素(ストレス)は色々とあります。通常の筋肉運動とは別に筋肉が緊張する(収縮する)要素を以下にあげてみました。(私見ですが)

 

< 筋肉の緊張を作る要素 >

  筋肉の緊張を作る具体的な例  筋肉が緊張する理由
運動過多系
  • 長時間の筋肉負荷
  • 過剰労働
  • 筋トレのしすぎ
  • 筋肉の炎症
  • 疲労物質の増加(疲労物質が筋肉を緊張させる )
  • 交感神経の興奮作用
疲労蓄積系
  • 睡眠不足
  • 疲労物質の除去作用低下
代謝鈍化系
  • 体液停滞(運動不足など)
  • 呼吸活動の低下
  • 代謝が悪い(冷え)
  • リンパ管に詰まりがある
  • 肝臓疲労
  • 疲労物質停滞 ※1
 天候系・気圧変化
  • 気圧変化(低気圧通過)
  • 恒常性が働き、交感神経が興奮。代謝産物による疲労物質増加 ※2
天候系・気温下降
  • 急激な気温下降
  • 恒常性が働き、交感神経が興奮。熱産生のため筋緊張。代謝産物による疲労物質増加
天候系・気温上昇
  • 急激な気温上昇
  • 汗による脱水、塩分不足、ミネラル不足
胃腸負担系
  • 胃腸に負担をかけすぎ(胃腸が弱い人)
  • 血液が胃腸に集まる(筋肉の代謝鈍化)
バランス系
  • 悪い姿勢やクセ
  • 骨盤や背骨の歪み
  • コア筋(深層筋)の弱体化
  • 身体の柔軟性欠乏
  • 歪みが筋肉負荷を増大
精神系
  • 怒りや不安などの感情(慢性的)
  • 精神的興奮によりアドレナリンなどのホルモンが放出
  • 脳内のセロトニン不足
老化現象系
  • 体力低下(筋肉量減少)
  • 老化現象による筋力低下を補うため、一部の筋肉に負荷が増大
痛み炎症系
  • ギックリ腰
  • 火傷など
  • 強い痛みや炎症
その他
  • 免疫やウイルス性疾患
  • 電磁波
  • 動脈硬化
  • アレルギー反応(化学物質(農薬他)、吸入抗原(ダニ他)、接触抗原(化粧品他)、金属、食物)
  • 多種多様

上記の表にあるように筋肉の緊張を作る要素(ストレス)は私達の日常生活に多々あります。これらの要素から逃れることは難しいですが、原因がわかっていれば対応策を考え実施することはできます。

 

< 要素別対応策 >

  対応策 (一つの手段として)
運動過多系
  • しっかり休養をとる
  • 肉体疲労に負けない肉体作りをする(筋肉量増加、特に伸筋)
  • 硬くなっている筋肉をストレッチ
  • 疲労蓄積系、体液循環系の対応策を実施
睡眠不足系
  • 疲労物質を取り除くには充分な睡眠をとることが大事
  • 睡眠がとれない場合にはイミダペプチドを補給
代謝鈍化系
  • 体操、ストレッチなどを適度におこない体液循環をUP(有酸素運動、ヨガ、チベット体操などが特にオススメ)
  • 呼吸法や酸素カプセルなどで体内酸素量を増やす(末梢血管の血流、脳・神経系に有効)
  • 水をこまめに飲む(代謝UP)
  • 栄養バランスのとれた食事(代謝UP)
  • 熱いお風呂に入る(ヒートショックプロテイン入浴法)
  • 定期的に半身浴などをして冷えを改善(低体温対策)
  • 身体を必要以上に冷やさない
  • 筋トレで筋肉量を増やす
  • 肝臓によいものを摂取する
  • リンパ管の詰まりをセルフマッサージでほぐす
天候系
  • 服装を体感温度に合わせてこまめに変える
  • 身体の体温調節機能の向上を心掛ける(有酸素運動、半身浴などで、いい汗をかく習慣をつける)
  • 汗を沢山かいたときは水分と塩分・ミネラル分の補給
  • 睡眠不足系、代謝鈍化系の対応策を実施
胃腸負担系
  • 暴飲暴食をしない
  • 咀嚼の回数などを増やし胃腸に負担をかけない
  • 虫歯があれば治す
  • 胃の負担となる刺激物を摂取しない
  • 精神系、天候系の対応策を実施
バランス系
  • 悪い姿勢を長い時間続けない(スマートフォンでゲーム等)
  • 身体の歪みで神経に滞りがあれば整体などで治す
  • バランスアップのための体操やストレッチを実施
  • コアトレをする
  • いい姿勢を毎日心掛ける
精神系
  • エアロビクスやウォーキングなど(リズム運動)
  • 心明るく、気分よく過ごす
  • モーツァルトの音楽を聴く
  • リラックスタイムを作り、雑念を取っ払う
  • 固執した思考からの脱却
  • 人間関係に面白みを見出す
  • 瞑想や呼吸法を実施
  • 睡眠不足系の対応策を実施
  • 朝の起床と同時に太陽の光を数分浴びる
  • 重度の場合、向精神薬の処方・服用
老化現象系
  • 回復力アップにはスロトレがよい
  • 適度に身体を動かす(散歩やラジオ体操)
  • 老化予防のために会話や食事(咀嚼)は大事
  • 睡眠不足系の対応策を実施
痛み炎症系
  • 痛みや炎症の原因を取り除く(痛みを作る原因は精神神経系の場合もあり!?)
その他
  • まずは専門医と協力しながら病気の改善に努める
  • 電磁波対策をする
  • 添加物を用いた食材に気をつける
  • サプリメントの服用
  • 糖質などの過剰摂取を止めるなど
  • アレルギー反応を起こす物質に極力接触しない
  • 油の摂取を気をつける(オメガ3脂肪酸の積極摂取)

自分がどのような筋肉緊張タイプなのかを知り、そして必要な対応策を実施していただければ、今よりもっと快適に過ごせるようになれます。

筋肉が緊張する要素(ストレス)は複合的で1つだけではないかもしれません。その場合は1つ1つ改善していくようになりますが、1つ改善するたびに身体は変化していきます。変化がでてくるたびに心が穏やかになり、エネルギーが増していくような感覚になっていきます。

私個人のことになりますが、毎朝ストレッチを欠かさずにやっております。もう既に10年以上は続けていますが、やっただけの効果を確実に感じているから続けられています。他にも疲労対策として神経の活性化、リラックスを目的に色々なことをやっております。おかげさまで20歳代のときより40歳を越えた現在の方がゲンキであると感じているのです。老化は確実に進んでいますが・・・ 苦笑

 


2.精神的ストレスの対処!? 欲求や刺激の依存に注意


私たちの人生には精神的ストレス(怒り、不安、不快)が付きものです。精神的ストレスがあると恒常性の働きにより自律神経(交感神経)を興奮させ、脳や体内からカンフル剤的な物質を分泌させます。これによって身体エネルギーが活性化され、精神は興奮、筋肉は緊張、血流は促進されます。

精神的なストレスが長く続きますと、疲労が増大し、自律神経のバランスが崩れたり、興奮作用のある体内物質が分泌されることにより睡眠不足の状態に陥ることがあります。睡眠不足が続きますと疲労は更に増大し、溜め込むことになります。このようになると身体のあっちこっちに不具合がでてくるようになります。

また、精神的なストレスが強いと快楽を求める傾向が強くなります。(心が気分の高揚を求めるようになります)

快楽の欲求も自律神経(交感神経)を興奮させ、私たちの行動をエネルギシュにさせてくれるパワーの源となります。しかし、このバワーのスイッチのオンとオフをしっかり使い分けることができないと、長期間の精神的ストレスと同様に疲労を貯めこむようになる危険性があります。

私見ではありますが整体の仕事をやっていて問題に感じることがあります。それは、長期間精神的ストレスがあった人はストレスが無くなった状態になっても、心がストレスから解放されていないように感じるのです。(ストレス思考になっている?)

長期間精神的ストレスがあった人は、睡眠は不足気味であり、ストレス度合が低いときでも精神的に落ち着いている期間が少なく、必要以上に快楽を求め、より刺激的なものを欲求するようなところがあります。快楽の欲求があると心が元気になり、そして満たされると落ち着くのです。しかし、落ち着いている精神状態の時間は短く、時間が経つにつれ気分が落ち込んだり、精神的ストレスに再び苦しむことになります。そして再度、快楽を求めるようになり、習慣化されていきます。(快楽・刺激の依存)

必要以上に快楽を求めるのは、不安や疲労に負けない覇気ある人生を追い求めているように感じられます。

しかし、このようなことが続けば徐々に疲労は増大、精神機能は破綻の方向へ導かれ、体内から覇気を奪っていくことでしょう。そうなりますと一時的に精神機能を高める働きのある酒やタバコなど比較的簡単に入手できる刺激物に依存するようになります。

この悪循環な状態から脱却するためには、今までとは違う手法で新しい生活リズムをつくることが必要になってきます。

犬のあくび


3.「癒し」を取り入れる


新しい生活リズムには「癒し」を取り入れることが重要です。

まず肉体的アプローチからの「癒し」については次にあげる2つをおススメしたいです。

  • 体内時計を整えるために早朝から明るい光を浴びる。 体内時計とは生物が生まれつき備えている時間測定機構のことで、体内時計の乱れが脳や生活のリズムを狂わす大きな要因の1つとしてあげられています。早朝に明るい光を浴びることは体内時計のリセットにつながります。時差ボケ的な倦怠感を軽減し、精神を安定させます。
  • 姿勢を気にする。 背すじが伸び、上半身がリラックスしている。このときお腹と腰に程よく力が入った状態がいい姿勢だと考えています。姿勢に偏りが無くなることで肉体的なストレスが軽減します。呼吸も深くなり、脳や筋肉の血流アップにつながりますし、精神も安定しやすくなります。また、いい姿勢は脳内物質のセロトニンが関与し、不足すると姿勢が悪くなると言われています。セロトニンはリズム運動(エアロビクスなど)なとで増やすことができるので、日頃からウォーキングやエアロビクスなどのリズム運動を20分から40分おこなうことをオススメします。リズム運動はストレスにならないレベルでおこないましょう。

精神的な「癒し」は、心が穏やかになる時間をつくるようにしていただくとよいです。

  • リラックス(心穏やかな状態になれるもの、興奮作用が強すぎないこと)
  • 意識の集中(雑念を払拭するのによい、雑念はストレスのもと)
  • 心地よい、気持ちいい(本能が快と感じるもの)

精神的な「癒し」の内容には、これらの3つの要素すべて含まれている活動をすることが好ましいです。精神的な「癒し」の時間を作ることで興奮作用がおさまり、自律神経のバランスも安定してきます。筋肉も必要以上に緊張しなくなり、筋肉疲労の回復も早くなります。

癒しを取り入れた新しい生活リズムを続けることで、少しずつ変化があらわれてきます。「たかが癒し、されど癒し」です。

ちなみに精神的な「癒し」の効果を実感するバロメーターは、口の中の唾液量が増えることです。唾液が増えていれば、いい癒しをしていると思ってください。

<癒しの例>
気のあった人たちと山登り、朝太陽の下で姿勢を正して好きな本を音読する、カートを使わないで歩いてゴルフ、モーツァルトの音楽を聴きながら体操をする、瞑想や座禅、書道、・・・etc

犬の寝姿


私がオススメする「癒し」ついては、安保徹さん(自律神経)、有田秀穂さん ( セロトニン神経 ) 、齋藤孝さん ( 姿勢・呼吸 ) の書籍をもとに、、私の経験も踏まえご紹介させていただいております。


※1
体液(リンパ液)の循環が悪かったり、肝臓(解毒作用)が疲労していますと、筋肉運動や代謝活動によって産生された疲労物質(老廃物)を体内に溜め込んでしまいます。疲労物質を含んだ体液(リンパ液)が停滞することによって筋肉は緊張し、血管を圧迫、血流が悪くなります。そうなると新鮮な酸素や栄養物が筋肉に届きづらくなりますし、おまけに血液の流れにのせて疲労物質を取り除くことができづらくなり、ますます筋肉の緊張が抜けなくなるという悪循環に陥ります。

※2
恒常性とは生体がさまざまな環境の変化に対応して内部状態(体内環境)を一定に保って生存を維持する現象です。恒常性は常に働いて内部状態を一定に保とうとしています。(このページでは恒常性の働きが強いと思われる事象に対して恒常性という言葉を使い強調しております) 恒常性の働きが強いほど、代謝産物である疲労物質は増えますが、疲労物質が更に増加する要素や停滞する要素がなければ、睡眠を十分に摂ることによって時間の経過とともに筋肉の緊張は自然回復に向かいます。

2008年1月1日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : t.saitoh