肩こりが発生するのは原因があるからです。原因が無くなればよいのですが再発する人の事情により難しい場合もあります。肩こりの原因やメカニズムについてはいくつかの視点から説明できます。
1. 筋肉の緊張と血行不良:
長時間のデスクワークやスマホの使用、姿勢の悪さによって首や肩の筋肉が緊張しやすくなります。筋肉が緊張すると血管が圧迫され、血行が悪化し、酸素や栄養が筋肉に行き届かず、老廃物が溜まります。この状態が続くと疲労物質が蓄積し、こりや痛みが発生します。
2. 自律神経の影響:
ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れにより自律神経が乱れると、交感神経が優位になりやすくなります。交感神経が緊張すると血管が収縮し、血流が悪くなるため、肩の筋肉にこりが生じやすくなります。
3. 姿勢の問題:
姿勢が悪いと、肩や首周りに負担がかかり、筋肉が過剰に使われるため、次第にこりが発生します。特に猫背や前傾姿勢などは肩周りの筋肉に大きな負荷をかけます。
4. 精神的な緊張:
精神的なストレスも肩こりに影響します。ストレスを感じると無意識に肩や首に力が入ることがあり、その状態が続くと筋肉の緊張が持続し、肩こりが発生します。
5. エネルギーの「流れ」と「巡り」:
肩こりは、身体の「流れ」が滞ることで起きることもあります。全身は筋膜で全て繋がっており肩や首周りではなく、足や腕の怪我によって経絡などのエネルギーや血液、リンパの流れが滞り、こりや不快感を生じることもあります。
6.内臓-体性反射によるもの:
内臓と筋肉や皮膚は、神経系でつながっており、内臓の異常が脊髄を介して体の特定の部位に反射的な緊張や痛みを引き起こすことがあります。たとえば、胃や肝臓の不調が肩のこりとして現れたり、腎臓や腸の不調が腰痛として感じられることがあります。これは、脊髄で共有される神経経路によるものです。
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肝臓や胃の不調:
肝臓や胃の不調があると、関連する脊髄の神経が肩や首の筋肉に影響を及ぼすことがあり、肩こりを引き起こす可能性があります。特に、肝臓は肩甲骨周りのこりに関連すると言われています。 -
肺の機能低下:
呼吸器の問題、特に肺の機能低下があると、首や肩周辺にこりが生じることがあります。肺と関連する神経が首から肩甲骨周辺に影響を及ぼすためです。
7.抗がん剤の影響によるもの:
抗がん剤の副作用が筋肉や神経系、内臓機能に影響を与えるためです。いくつかのメカニズムが関係しています。
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筋肉や神経への直接的な影響:
抗がん剤の種類によっては、筋肉や神経を損傷しやすいものがあります。これにより、筋肉の緊張や炎症が生じ、肩こりや腰痛を引き起こすことがあります。また、神経に障害が生じると、特定の部位に痛みやこりを感じやすくなります。 -
倦怠感や疲労の蓄積:
抗がん剤治療中は全身に強い疲労感が出ることが多く、活動量が低下しがちです。動きが減ることで、肩や腰周りの筋肉が硬直しやすくなり、肩こりや腰痛が起きやすくなります。また、長時間の横たわりや同じ姿勢が続くことでも筋肉のこりが生じることがあります。 -
内臓機能への影響と内臓-体性反射:
抗がん剤は消化器系や肝臓、腎臓などの内臓機能にも負担をかけます。内臓がダメージを受けると、内臓-体性反射により、肩や腰に痛みやこりが反射的に現れることがあります。たとえば、肝臓や腎臓の不調が肩や腰に影響を及ぼすことが知られています。 -
免疫力低下と炎症反応:
抗がん剤による免疫力低下があると、体内で慢性的な炎症が起きやすくなります。この慢性炎症が、肩や腰などの関節や筋肉に痛みや不快感を引き起こすことがあります。また、炎症によって筋肉が緊張するため、こりや痛みを感じやすくなります。