頭痛は、頭そのものだけでなく、首・肩・姿勢・呼吸・腸など、身体の環境が少しずつ影響し合いながら起きることがあります。

ここでは、代表的な頭痛の種類と、身体環境との関わりを整理してみました。

頭痛の様子イラスト

緊張型頭痛 ― 首や肩のこわばりから生まれる痛み

一般的な緊張型頭痛は首や肩の筋肉が緊張すると血流が滞り、頭の重さや締めつけ感につながります。長時間の同じ姿勢、ストレス、浅い呼吸などが重なると起こりやすくなります。

やさしい対策

  • 姿勢を整え、頭の位置を前に出しすぎない
  • 首・肩まわりをゆるめるストレッチ
  • 深い呼吸を意識して力みを減らす
  • 温めて血流を促す

緊張性頭痛のタイプ分類(臨床的4タイプ) — 実は「緊張型頭痛」でも中身はまったく違います —

「緊張型頭痛」と呼ばれるものの中には、実は 4つの異なるメカニズム が含まれています。

血流が良くなると軽くなるタイプもあれば、血流だけでは変わらないタイプ、さらには 押したり揉んだりすると逆に悪化するタイプ もあります。

ここでは、日々の施術でよく見られる傾向をもとに、緊張性頭痛を4つに整理しています。


① 全体筋緊張型(いわゆる肩こり頭痛)

特徴

  • 頭を締め付けるような「ハチマキ感」
  • 後頭部より頭頂部が重い
  • 動くと少し楽
  • 押すと「気持ちいい」
  • 温めると改善

起きていること

  • 頭皮〜側頭部〜後頭部の 筋膜の持続的な緊張
  • 僧帽筋・側頭筋・後頭筋の広範囲疲労
  • 神経ではなく 筋膜循環不良 が中心

改善方向

  • 揉む・温める → 有効
  • ストレッチ → 有効
  • 寝る → 改善

ポイント もっとも“普通”の緊張性頭痛。多くの人が「頭痛=これ」と思っているタイプ。


② 精神緊張型(自律神経型) — 血流だけでは変わらないタイプ —

特徴

  • 夕方〜夜に悪化
  • 首や肩は硬くないのに痛い
  • 天気・気圧の影響を受ける
  • 胃腸の不調を伴う
  • 休日に出やすい

起きていること

  • 脳の覚醒レベルの乱れ(痛みや刺激を選別する機能が弱まり、普段は無視する感覚まで拾ってしまう状態)
  • 痛覚抑制系の低下(拾った刺激を痛みに変えてしまう状態)
  • 筋肉の硬さは「原因」ではなく「結果」

改善方向

  • 休んでも取れない
  • 触っても変わらない
  • 呼吸・リズム運動・睡眠調整が有効

ポイント 慢性頭痛になりやすいタイプ。「血流を良くすれば治る」という枠に入らない。


③ 眼精疲労型 — 目の負担が先に来るタイプ —

特徴

  • 眉間〜こめかみの痛み
  • 画面作業後に発生
  • 目を閉じると楽
  • ピント調節で悪化
  • 朝は軽い

起きていること

  • 三叉神経(眼枝)の過活動
  • 毛様体筋の疲労
  • 首や肩の緊張は二次的

改善方向

  • 目の休息が最優先
  • 首を触っても再発しやすい
  • 光量調整・作業時間の区切りが有効

ポイント デスクワークに非常に多いタイプ


④ 頸性・後頭神経型 — 押すと悪化するタイプ —

特徴

  • 後頭部〜側頭部へ広がる痛み
  • 髪をドライヤーで刺激するとうずく
  • 目の奥が重い
  • 寝ると改善
  • ストレッチで一度悪化 → その後軽快

起きていること

  • 大後頭神経の機械刺激(固定化された神経が、動きに伴って引っ張られ・こすられて痛む状態)
  • 上位頸椎の微小な固定(頸椎の小さな動きの停止)
  • 神経滑走不良 が中心

改善方向

  • 揉むと悪化
  • 姿勢で変わる
  • 神経滑走の回復が有効

ポイント “治らない肩こり頭痛”の正体になりやすい。

片頭痛 ― 刺激に敏感になりやすい状態

血管の収縮と拡張、ホルモンの変動、光や音などの刺激が重なると、片頭痛が起きやすくなります。身体が「少し休みたい」と知らせているサインのように感じられることもあります。

やさしい対策

  • 静かな場所で休む
  • 強い光やにおいなどの刺激を避ける
  • 食べ物や環境の“引き金”を把握する

群発頭痛 ― 強い痛みが続くタイプ

片側の目の奥に強い痛みが出る群発頭痛は、専門的な治療が必要になることがあります。身体環境の調整だけでは対応が難しいため、医療機関での相談が安心につながります。

二次性頭痛 ― 他の病気が背景にある場合

副鼻腔炎や高血圧など、別の原因が頭痛として現れることがあります。いつもと違う強い痛みや、長く続く痛みがある場合は、早めの受診が大切です。

腸とホルモンの変化が頭痛に影響することも

便秘と頭痛のつながり

腸の動きが滞ると、身体の巡りが乱れ、頭の重さにつながることがあります。腸は自律神経と深く関わるため、腸内環境が整うと頭の軽さを感じる方もいます。

やさしい対策

  • 水分をこまめにとる
  • 野菜や果物など、腸がよろこぶ食事
  • 規則的な生活リズム

女性ホルモンと頭痛のゆらぎ

エストロゲンの変動は、片頭痛と関わることがあります。月経・妊娠・更年期など、身体の変化に合わせて頭痛が強くなる時期があるのは自然なことです。

やさしい対策

  • 頭痛が起きやすい時期を記録してみる
  • 身体の変化を把握し、無理をしない
  • 必要に応じて医療機関で相談する

まとめ

頭痛は、筋肉の緊張、姿勢、ストレス、腸内環境、ホルモンの変動など、さまざまな要素が重なって起きることがあります。身体環境を整えることで、痛みがやわらぐきっかけになることもあります。無理のない範囲で生活を整えつつ、気になる症状が続く場合は専門家に相談すると安心です。

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